遠藤 周作

海と毒薬 icon 遠藤周作さんの本は深いです。
いつもとっても考えさせられます。

戦時中の大学病院で行われた外人捕虜を生体実験した話です。
実際に九州の大学病院で行われた事件をベースにしています。
日本人の罪の意識や、世間からの罰、良心の呵責など
するどく描いています。
人に対する優しさを忘れない主人公の勝呂(すぐろ)は
この時代の明日には誰が死んでもおかしくないという
状況に身を流され、直接手は下せないけれど、
大きな過ちを一緒に抱えてしまうこととなる。
そして、人を思いやる気持ちのない戸田は
そんな自分に嫌気をさしつつも、普通の手術と何が違っているのかと
開き直り、自分がいけないことをした、と言う思いで悩むよりも
これが世間にしれたらという、世間からの評判だけを気にする。
あなたはどちらの人間か?
沈黙 icon 江戸時代、切支丹弾圧下の長崎に潜入した宣教師が
捕らえられ棄教するまでを、宣教師の心の動きを中心に描く。
神はいるのか?なぜ沈黙しているのか?というテーマ。
読んでみたいと、思うでしょう?
この本でキリスト教ではないわたしも、少し救われた気が
します。
神のあり方、人への愛、考え方一つで広がる愛。
宗教チックで嫌だと言う方もいらっしゃると思いますが
この本はぜひ読んで頂きたい。
号泣です。