宮部 みゆき・・・社会問題を扱ったり、超能力などを扱ったり
江戸時代などの昔を現代によみがえらせたり
           宮部さんオリジナルな作品展開です。

 模倣犯〈上〉
模倣犯〈下〉
映画にもなったし、文部科学大臣賞や毎日出版文化賞などを
とった作品。
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。
それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの
宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に
立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、
二人を待ち受ける運命とは?

この小説は犯人が誰か?と言うことよりも
被害者の家族や犯人の家族、
マスコミと大衆の心理を細かく描写していく点に置いて
問題をたくさん提起していたように思う。
自己中心的人間が多く書かれていることも
現代の問題のようだけれど、
これは今始まったことではないと思う。

長い長い話の中で、特に事件に巻き込まれる高井和明の
描写が長すぎたね、確かに。
なんでもお見通しで、大衆心理を操作していく犯人の
ピースには怖い思いを抱くけれど、
善良なおじいちゃん、有馬義男さんの存在が安堵させては
くれるものの、そんな冷静に状況判断できる人間も
数少ないことは間違いないし。
いろんな社会問題を含んでいて、おじいちゃんの語りだけが
人間性を感じてホロリ(゜дÅ)
とっても長いけれど、多くの人に読んでみて欲しい本でした。
あかんべえ 時代サスペンス・ファンタジーという分類らしいです。
時代は昔だけど、今現代に起こっている設定でもいけそう。
さすが、ストーリーテラー、宮部さんです。
おもしろいです、引き込まれました。
最後はあ!そうだったの。という感じです。

お話はおりんちゃんという女の子が新しい引っ越し先で
そこに住み着いている亡者さん達を見て、お友達になり
理解していってあげる優しい女の子のお話です。
どうしてここにいるのか謎を解いてあげたら成仏できるかな?
でも、亡者さんにはそこにいたい。という声もあり、
どうしたらいいのか、わからなくなるおりん。

いくつかの物語がひとつにまとまってラストを迎える。
一人で読み始めたら夜が怖かったusagiです・・・。
でもおもしろくて、お薦めです。
R.P.G. RPGという名の通り、ロール・プレイング・ゲーム。
またもや宮部さん、現代の社会問題にメスを入れたのね。
ゲームにとりつかれた人、はまってしまう犯人のこととかかな?
それを実世界にトリップさせた犯罪?とか思って読んだら、
このタイトルは英語通り、役割という劇とかで使う言葉の意味だった。

でも、内容は現在で、人の孤独な心が事件を生んでしまう。
娘が携帯を使ったあたりで、すでに犯人は誰か想像できてしまったけど
家族でも理解し合えない場合も、そのことを他の誰かが
気づいてくれる場合もあるという
残酷なお話ではなく、希望の見えるお話だったことが救われたかな。

この本に出てくる宮部さんの本に前も登場している2人の刑事さん。
「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が登場します。
火車 初めて宮部さんの本を読んだきっかけがこの本でした。
ちょっと厚めなサイズが心ときめく。
雑誌などでもべた褒めだったし、本やさんでは平積みになっていたから。

はじめは少し取っ付きにくいかもしれませんが、読み始めると
おもしろくてあっという間に読めます。

今の社会ならではの題材を選んで普通に暮らしていてはわからないことも
出てきて少し恐ろしくなる。

現代社会問題を小説に組み込むセンスはさすがの一言。
これですっかりファンに。
クロスフィア