桐野 夏生

グロテスク 現実に起きた事件「東電OL殺人事件 」をモチーフに書かれた本。

世にも美しい妹ユリコを持つ「わたし」は、ユリコと離れたい一心で
Q女子高を受験して合格し、スイスに住む両親と離れて
祖父とふたり暮らしを始める。
エスカレーター式の名門Q女子高は厳然とした階級社会であった。
佐藤和恵という同級生が美人しか入れないという噂のチアガール部に
入ろうとして果たせず、苛立つのを、「わたし」は冷やかに見守る。
夏休み前に母が自殺したという国際電話が入る。
ユリコが帰国するというので、「わたし」は愕然とする。
同じQ女子高の中等部に編入したユリコは、
その美貌でたちまち評判になるが、
生物教師の息子木島と組んで学内で売春し、
それがばれて退学になる。
和恵はQ大学から大手のG建設に就職した。
―そして二十年後、ユリコと和恵は渋谷の最下層の街娼として殺される。


実は、この事件に興味を持っていたので
元の東電OL殺人事件のほうを先に読み、
後でこの作品もあることを知り、読み始めたのですが
最後までフィクションだとは知らず・・・・

実はこんな話もあったんだ。
妹の美貌に執着するあまり、自分を客観視し続ける主人公。
家族の愛を与えられず、家族からも守ってもらえないユリコ。
自分のことをわかっていない自分だけが好きな佐藤和恵。

東電OLの本にはなかった3人の女性の精神面が
描かれていて、こんな精神状態なら娼婦に落ちてしまったりするのも
無理はないかな。などと思ったりした。

ところが、実はフィクションと最後にわかり、拍子抜け・・・。

それにしても、作者があらゆる差別を書きたかった。というように
コンプレックスだらけの登場人物達。
心理面ではかなり詳細に書かれていておもしろかったです。
OUT(アウト) 雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。
彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体を
バラバラにして捨てたのか?
自由への出口か、破滅への扉か?
四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。


ずいぶん前に話題になったときに読みました。
その後、ドラマになったりかなりヒットした作品です。

4人の主婦に起こってしまった突然の事件。
実際に仲間の一人が夫を殺してしまったら、
その殺人を手助けするような
信頼関係はあるのか?と言う疑問はあるけれど
ストーリーとしては面白かったです。

ドラマの内容は少し違っていたので本でも読んでみると
おもしろいですよ。