片山恭一
世界の中心で、愛をさけぶ |
十数年前。高校時代。恋人の死。「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。 落ち葉の匂いのするファーストキスではじまり、死を予感させる無菌状態の中でのキスで 終わる。「好きな人を亡くすことは、なぜ辛いのだろうか」―主人公は朔太郎という名の、 地方都市に住む高校2年生。物語は、アキという名の同級生の恋人の死から始まる。 そして生前の彼女との思い出を回想するように、ふたりの出会い、放課後のデート、 恋人の墓から遺骨の一部を盗んだ祖父の哀しくユニークな話、 ふたりだけの無人島への旅、そして彼女の発病・入院、病院からの脱出、 そして空港での彼女の死までのストーリーが語られ、その中で朔太郎は自分の「生」の充足が、彼女との出会いから始まっていたことに気づく。 映画化され、誰もが泣いたという本をまず、原作から読んでみようと ついに読んでみた。 帯にはかなり感動したということが書かれたいたので泣き虫のわたしは 丁寧にゆっくり大事に読んでみました。 が!!! ラストまで泣かないで終わっちゃった。 空港でのあのシーンがCMでイヤと言うほど流されたいたのを 思い出しながら・・・・ でも、あれはあの演技力と、平井堅さんの歌唱力でみんな涙したんだな。と、この原作を読んで思った。 透明感のある、素敵なお話ではあるけれど、心にガンガンとしみいるようなお話とまでは行かず、ありがちなラブストーリーだった。 でも、人を愛することの大切さやおじいちゃんのお話はなかなかいいと思うので、一度読んでみることをお薦めする。 おじいちゃんの話はたんたんと語っているのに、深い。 |