篠田 節子・・・ストーリーテラーでありながら斬新で
いつも他にはない作品を読ませてくれる。
少しどろどろしたとこもある小説が得意かも。

第4の神話 icon 芸大声楽科を卒業した美貌の人妻。理解ある夫、素敵な恋人、可愛い小供。すべてに恵まれた女性ベストセラー作家・夏木柚香が急逝した。だが、「私の作品は、五年しかもたない」という言葉を遺した彼女が美しい仮面の下に抱いていたのは―。彼女の評伝を書くことになった女性ライター、小山田万智子が柚香の本当の姿を抉り出す。女の心の闇底に潜む真実に迫る衝撃作。

はっきり言うと篠田さんの中で1番記憶に
残らない。ファンなので読んでみた感じ。
いろんな女性の生き方の一つ。
聖域 icon 関わった者たちを破滅へ導くという未完の原稿「聖域」。1人の文芸編集者が偶然見つけるが、得体の知れぬ魅力を秘めた世界へ引きずりこまれる。この小説を完成させようと、失踪した女流作家・水名川泉(みながわせん)の行方を捜し求めるその男は、「聖域」の舞台である東北へ辿りつく。山本賞・直木賞受賞作家の長編サスペンス。

日本に昔から言い伝えのようにして残っている土着信仰。これがまたおもしろい。
「いたこ」もその一つ。
すっごくおもしろいです。uagiお薦め
ハルモニア icon 脳に障害をもつ由希が奏でる超人的チェロの調べ。指導を頼まれ、施設を訪れた東野はその才能に圧倒される。名演奏を自在に再現してみせる由希に足りないもの、それは「自分の音」だった。彼女の音に魂を吹き込もうとする東野の周りで相次ぐ不可解な事件。「天上の音楽」にすべてを捧げる二人の行着く果ては…。

由希は,大きなストレスを感じるときに相手の心を操り悪夢を見せたり、脳内出血などの肉体的損傷を与えるなどの超能力を持っていた。その力は,音楽的才能を身に付けるに従って大きくなっていく。それと同時に,由希自身の生命をも蝕むものだった。
最後は・・・・。

ゴサインタン 神の座 icon 豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く第10回山本周五郎賞受賞作。「弥勒」と似ているこの作品。
愛とはを感じるこれまたすごい大作。
篠田ワールド。
カルバナのやり放題と、結木のなげやり?の
ような事なかれ主義?にはイライラさせられました。そのイライラがつのったラストは
ちょっと物欲ありありの私には考えさせられました・・・。現代人への警鐘?

弥勒 icon ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。
「何が人々の救いになるのだろうか。」というのがこの本のテーマ。
革命軍によって強制結婚させられた、見ず知らずの女性・サンモに深い愛情を抱き、彼女への祈りといたわりが、地獄のようなキャンプの中での心のよりどころにさえなっていく、その彼女の中にこそ彼の求めていた答えが?

レクイエム icon 「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。謎の答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界へ扉を開けてしまつた孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短篇集。

戦時中のカニバリズム(人肉食)をモチーフにした悲しい話や虐待の話など。
カノン icon 学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。逆回しにされたバッハ晩年のカノンのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。
ジャンルはホラーらしいですが、恐くはない。

瑞穂がチェロを捨てるきっかけとなったのは、康臣と彼の友人正寛との三人だけで過ごした一夏の演奏合宿がきっかけだった・・・。

篠田さんの本としてはちょっと途中が長くて
飽きてきつつ、ラストへ。

アクアリウム icon このお話。イルカファンにはたまらない。
ジャンルはサスペンス・ファンタジーらしいです。
地底湖で偶然出会った不思議な生き物「イクティ」。
彼女と出会って彼はとりことなる。
その地底で繰り広げられるファンタジーの世界は篠田さんの力作。
自分の想像力を駆使して、この本に浸って欲しい。
夏の災厄 icon 東京郊外のニュータウンに突如発生した奇病は、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病が今頃なぜ?露呈する現代生活の脆さ。その間も、ウイルスは町を蝕み続ける。世紀末の危機管理を問うパニック小説の傑作。とアマゾンにも書いてあるように、これが現実となったらと考えずにはいられません。ものすごく本当にありそうで、SARSの問題も結局は特効薬もないままだし、深く考えさせられます。眠れない夏の夜にどうぞ。
おもしろくて眠れなくなるかも・・・。

女たちのジハード icon ドラマや映画にもなった篠田さんの代表作ですが、
本当の篠田さんワールドは
「夏の厄災」や「アクアリウム」「聖域」だと思っています。
いろんな考えの女達がいて、自分の人生を歩んでいく。
選択するのはもちろん自分しかいない。
働く女性は読んでみるとおもしろいよ。
競売物件を落札して手に入れるなんてあたりは、さすが
篠田さんって感じですか。
ちょっと宮部みゆきさんっぽいけれど。
静かな黄昏の国 icon 短編集を読みました。
本当にありそうな出来事、美食家に警鐘?「リトルマーメイド」や今でもひそかに行われているのかも?と
ぞくりとする臓器売買「一番抵当権」

タイトルにもなっている「静かな黄昏の国」では近未来のお話で現実にもあり得そうな核のお話。
アジアの国で一番の貧国となるなど考えると怖い・・・。
とってもおもしろかったです。
なので、あっという間に読めちゃう。
一応ジャンルはミステリーらしいです。